7月6日17時10分に長崎、福岡、佐賀の3県に大雨特別警報が発表され、続いて19時40分に広島、岡山、鳥取、22時50分に京都、兵庫と、1日で8府県に大雨特別警報が発表された[10][11]。さらに翌7日12時50分には岐阜県[11][12]、翌8日5時50分には高知、愛媛の2県にも大雨特別警報が発表され[13]、最終的に運用を開始して以来最多となる計11府県で大雨特別警報が発表された。
この豪雨により、西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、死者数が200人を超える[14]甚大な災害となった。また、全国で上水道や通信といったライフラインに被害が及んだほか、交通障害が広域的に発生している[1]。平成に入ってからの豪雨災害としては初めて死者数が100人を超え[15][16]、「平成最悪の水害」と報道された[17]。さらに、昭和に遡っても1982年に300人近い死者・行方不明者を出した長崎大水害(昭和57年7月豪雨)以降、最悪の被害となった[18][19]。
気象庁による分析によると、7月5日以降の豪雨の原因は主に、1.日本の北にあるオホーツク海高気圧が非常に発達し、南東にある太平洋高気圧も強まったため、その間に挟まれた梅雨前線が停滞・強化されたことと、2.対流活動が盛んになっていた東シナ海付近からの南東風と、太平洋高気圧の縁を回る南風が強まり、二方向から梅雨前線に向かって流れ込んだ湿った空気が西日本付近で合流し、極めて大量の水蒸気がもたらされたことにある。二つの高気圧が強まったのには、寒帯前線ジェット気流と亜熱帯ジェット気流が大きく蛇行していたことが影響しており、この気流の蛇行はその後の日本付近の記録的高温にも影響した。また、九州から東海にかけて15箇所で線状降水帯が発生し、それによって局地的にさらに雨量が多くなった地域があった[8][20]。
府県 | 総降雨量 |
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長野県王滝村御嶽山 | 1,111.5 mm |
岐阜県郡上市ひるがの | 1,214.5 mm |
京都府福知山市坂浦 | 594.5 mm |
兵庫県篠山市後川 | 617.0 mm |
鳥取県八頭郡智頭町智頭 | 537.0 mm |
岡山県苫田郡鏡野町恩原 | 565.5 mm |
広島県山県郡安芸太田町内黒山 | 570.5 mm |
徳島県那賀町木頭 | 1,365.5 mm |
愛媛県西条市成就社 | 965.5 mm |
高知県安芸郡馬路村魚梁瀬 | 1,852.5 mm |
福岡県福岡市早良区早良脇山 | 859.0 mm |
佐賀県佐賀市北山 | 904.5 mm |
長崎県雲仙市雲仙岳 | 697.5 mm |
宮崎県えびの市えびの | 995.5 mm |
西日本を中心に、河川の氾濫や洪水、土砂災害などの被害が発生している。以下は2018年9月6日12時現在の朝日新聞による被害状況の集計である(7月下旬の台風12号による被害を含む)[27]。